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ASPIRE v1.0 がオープンソース化:ロボットは直し方をコードとして保存し、経験をゼロに戻さない

ASPIRE v1.0 がオープンソース化:ロボットは直し方をコードとして保存し、経験をゼロに戻さない

AI情報 • Admin • • 8 回閲覧

ASPIRE v1.0 は 2026 年 10 月 16 日に正式にオープンソース化された。英伟达(NVIDIA)GEAR ラボを率いるリンシー・ファン(Jim Fan)が同日、このロボット・エージェント基盤のコードを GitHub 上の NVlabs リポジトリに Apache 2.0 ライセンスで公開したと発表した。ASPIRE のやり方は主流のロボット学習とはかなり違う。新しい方策ネットワークを訓練するのではなく、大規模言語モデルにロボットの制御コードを直接書かせ、失敗したらログを読み、コードを直し、うまくいくまで試させる。

スキルは重みではなく、コードとして保存される

従来のロボットシステムには古い癖がある。1 つのタスクの中で見つけた修正策は、タスクが終わると捨てられ、次はゼロから始まる。ASPIRE はその修正を残す。検証済みの直し方——位置推定の工夫、知覚プロンプト、デバッグ手順——を再利用可能な項目として蓄積する、育ち続けるスキルライブラリを備えており、次のタスクはそれを直接呼び出せる。

プロジェクトページの実機デモは、この路線がどこまで来たかを示している。GPT-6 Astra に駆動されたロボットアームが、自分の制御プログラムを書き換えながらルービックキューブの解き方をオンラインで学ぶ。別のデモでは、シミュレーションで学んだスキルが実機に移され、テーブルの片付けをこなす。今回の 10 月の更新で、プロジェクト側は ASPIRE が LIBERO-Pro の操作タスク 80 件で 99% の成功率に達したと報告している。ただし注意が要る。これはプロジェクト側が自らのベンチマークで出した成績で、独立した再検証はまだない。方向を見るにはよいが、業界の物差しにはならない。

三点セット:実行エンジン、スキルライブラリ、進化探索

ASPIRE が自分のコードを直せるのは、3 つの部品の連携による。第一は閉ループ実行エンジン。ロボットの知覚、計画、把持、制御の呼び出しごとに、視覚的な証拠を含むマルチモーダルな軌跡が残り、エージェントは「失敗した」の一言ではなく、どの段階で崩れたかを特定できる。第二はスキルライブラリで、検証済みの修正を保存し、後のタスクが検索できるようにする。第三は進化探索。複数の候補プログラムを並行して生成し、それぞれの失敗記録を突き合わせることで、一つの間違った方向に固執せずに済む。

この組み合わせは論文版のテストですでに効果を示した。プロジェクトの論文によれば、LIBERO-Pro の摂動テストで最強のベースラインを最大 77 ポイント上回り、Robosuite の両腕受け渡しタスクや BEHAVIOR-1K の長時間家事タスクでも明確な優位があった。スキルは機体をまたいで移転もする。シミュレーションで蓄えた経験が別の実機のプログラミング参考となり、デバッグに要する推論トークンを大きく減らした。これはロボット基盤モデルのホスティング化と同じ流れである(Pi API の公開テスト参照)。モデルの役割は、機械を直接操ることから、機械にプログラムを書き、経験を蓄えさせることへ移りつつある。

弱点もプロジェクトページに書かれている

ASPIRE のチームは限界を隠していない。プロジェクトページに専用の節がある。第一に、まだ完全自律の実世界学習者ではない。実運用には、確実な成功判定、安全なリセット、安全監視、較正が依然として必要だ。第二に、固定された最先端の大規模モデルに依存しており、より小さいモデルで同じデバッグの循環を維持できるかは未検証である。つまり成績のかなりの部分は、背後にいる大モデルの功績だ。第三に、行動できるのは事前に定義された知覚と制御のプリミティブの範囲内に限られ、安全な反面、表現できる振る舞いも限られる。第四に、スキルライブラリの長期管理は未解決で、項目が増えれば古くなったり、重複したり、新しいタスクを誤導したりするものが出てくる。デバッグと進化探索の繰り返し自体も計算資源を大量に食う。

だから ASPIRE v1.0 の価値は「ロボットが何でも自分で学べるようになった」ことにはない。エージェントにロボットを制御するコードを書かせ、経験をコードの形で保存し、受け渡せるようにするという工学的な枠組みが、まるごとオープンソース化されたことにある。ロボット開発チームにとって、それは一本のデモ動画よりも時間をかける価値がある。枠組みは再利用できるが、デモはできないからだ。

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