Excel数式をAIに書かせると貼った途端にエラーになることが多いですが、たいていAIが計算を間違えたわけではありません。お使いのExcelのバージョン、言語環境、そして表の中のデータ形式が、AIが前提にした書き方と合っていないのです。書き直させる前に、下の四か所を一つずつ照らしてください。自分で原因を特定できることがほとんどです。
一か所目:関数名と区切り記号が環境と合っていない
AIは既定で英語版Microsoft Excel向けに出力し、英語の関数名とカンマ区切りを使います。中国語版など一部の言語版で開くと、現地語の関数名とセミコロン区切りに換える必要があり、WPS、Microsoft Excel、Google Sheetsの間でも扱いは完全には揃いません。貼ってすぐ #NAME? が出たらまずここを疑い、関数名と区切りを実際に使っているソフトに合わせて直してください。
二か所目:使われた関数がそのバージョンに存在しない
XLOOKUP、TEXTJOIN、動的配列の類は新しいバージョンで加わった関数で、古いExcelにはそもそも入っていません。AIはあなたのバージョンを知らないので、新しい関数をそのまま使います。質問するときは版番号を明示し、古い版でも使える代替の書き方を同時に出すよう求めてください。たとえばXLOOKUPの代わりにINDEXとMATCHの組み合わせです。
三か所目:データが想定した型になっていない
数式の理屈は合っているのに結果が #VALUE! になったり0になったりする場合、原因はデータ側にあることが多いです。数字が文字列として保存されている、見た目だけ日付の偽の日付、セルに混入した空白、邪魔をする結合セルなどです。数式だけをにらまず、実際のデータを数行取り出し、書式を確認し、余分な空白を取り、不要な結合を外してから計算し直してください。
四か所目:要件を伝え切れておらず、推測に頼っている
表に見出し行があるか、空白を空のままにするか0として扱うか、下へコピーしたときに固定すべき行と列はどれか、こうした指定がなければAIは推測するしかありません。典型は $ による絶対参照の付け忘れで、ドラッグして埋めると参照がずれ、上の数行は合っているのに下が全て狂います。次に頼むときは、見出しの有無、空白の扱い、固定する行と列を最初にまとめて伝えてください。
点検はこの順番で進める
まずエラーコードで切り分けます。#NAME? は関数名と言語環境、#VALUE! はデータの型、#REF! は参照範囲が消えたか範囲外になったか、#N/A はたいてい検索が一致しなかった合図です。次に、ソフト名、バージョン、画面の言語、実データ5行分をまとめてAIへ送り、関数ごとに何をしているか説明させ、古い版で動く書き方も出させてください。最後に本番の表を直接いじらず、まずコピーを作り、小さい範囲で試し、合ってから全体へ広げてください。
お金に関わる表には人の確認を残す
金額、精算、報告用の数字に関わる表では、AIの数式をそのまま信じないでください。数行を抜き取り、手計算と照らすところまでは必ず人の手で確認します。複雑な配列数式が崩れたら、補助列をいくつか作って段階ごとに計算させる方が早道です。一つずつ検証できるので、長い数式のどこが壊れたか当てるよりずっと確実です。