Volantis の 8800 万ドルのシリーズ A は 2026 年 10 月 1 日、Volantis が PR Newswire を通じて発表しました。Lachy Groom と Abstract Ventures が共同で主導し、John Doerr、VXI Capital、Triatomic、Susa Ventures と、Dwarkesh Patel、Naveen Rao、Sholto Douglas らのエンジェル投資家が参加、累計調達額は 9700 万ドルになりました。サンフランシスコの半導体スタートアップの狙いは具体的です。光子インターコネクトで計算チップとメモリをつなぎ、メモリ容量と帯域をトレードオフではなく同時に引き上げます。
メモリの壁は計算ではなくデータ移動の問題
大規模モデルの推論が遅い理由は、多くの場合チップの計算力ではなく、データを供給し続けられないことにあります。パラメータと文脈はメモリに置かれ、計算ユニットへ絶えず送られなければなりません。オンチップ SRAM は帯域が高い反面、容量が小さく高コストです。GPU の HBM は容量が大きいものの、帯域がモデルの大型化に追いつかなくなっており、3D DRAM のような新案も同じ取捨選択の曲線から出ていません。Volantis の初代システム A-1 は、容量と帯域を同時にほぼ 2 桁引き上げることを目標にし、20 兆パラメータ超のモデルをユーザーあたり毎秒最大 1 万トークンで動かし、トークンあたりコストを下げる設計です。
その光はデータセンターの光とは違う
フォトニクスはデータセンターでチップ間通信に使われてきましたが、チップとメモリの接続は別問題です。距離ははるかに短いのにデータ量は 100 倍以上で、消費電力とコストの制約も段違いに厳しくなります。Volantis はこの用途向けにマイクロ VCSEL プラットフォームを自社開発し、成熟したガリウム砒素 VCSEL の供給網を使い、インジウムリンの制約を避け、リンク全体の消費エネルギーを 1 ビットあたり 1 ピコジュール未満に抑える目標を掲げます。光ファブリックは多数のメモリチップを一つのメモリプールに束ね、メモリを増やすほど帯域も合算され、安価なオフチップメモリを使えます。創業チームは NVIDIA、AMD、Broadcom、Ayar Labs の出身で、初の CoWoS 製品や初期のシリコンフォトニクス共封装システムに携わりました。
「設計目標」という言葉を先に置いておく
冷静な注意も必要です。20 兆パラメータ、毎秒 1 万トークンは A-1 の設計目標であり、納入済み顧客システムの実測値ではありません。統合推論エンジンの初回納入は 2027 年の計画で、本ラウンドの資金は A-1 の開発・商用化とエンジニア採用に使われます。CEO の Tapa Ghosh は、エージェントが担う仕事が増えるほど、その完了速度が企業の速度を決めると述べ、現行ハードウェアは「最大のモデルを動かす」か「速く動かす」かの選択を強いていると指摘します。フォトニックメモリが実現するかは、今日の調達額ではなく、2027 年のシリコン、パッケージング、顧客検証で決まります。