伽马智能(Gamma Robotics)は 2026 年 10 月 21 日、上海市徐匯区で登記・設立され、模速空間に入居した。澎湃新聞と界面新聞の同日の報道によれば、中国電信人工知能研究院(TeleAI)が孵化させた初の市場化イノベーション企業であり、TeleAI が事業の一角を独立会社として切り出すのも初めてだ。新会社は自進化する人形ロボットのフルモデル革新と応用に注力し、TeleAI と共同で人形ロボット実験室を設立して、研究院の成果を産業の実現場へつなげていく。
研究院が別会社を立てる理由
研究院の強みはモデルと論文だが、人形ロボットが工場、工業団地、介護施設に入るには、製品定義、サプライチェーン、納入、アフターサービスが要り、それらには契約を結び、資金を調達し、市場の結果に責任を持てる主体が必要だ。伽马智能の資本構成はまさにこの分業を映している。同社は中電信(上海)人工知能産業プライベートエクイティファンドから戦略投資を受けた。このファンドは中国電信、上海国投先導基金、中央企業戦略的新興産業発展基金、徐匯区傘下の上海匯資が共同出資し、中央企業と地方国有資本の典型的な組み合わせとなっている。人的配置では、中国電信集団 CTO で TeleAI 院長の李学龍が科学顧問に就き、白辰甲が創業者兼 CEO を務める。
通信事業者がロボットで持つカード
中国電信が具身知能に参入する根拠はロボット本体の経験ではなく、別の三つにある。全国に張り巡らされたネットワークとエッジ算力、長年付き合いのある政企顧客の販路、そして新技術を業界ソリューションに束ねて届ける導入チームだ。人形ロボット業界に今最も足りないのは、本体メーカーがもう一社増えることではなく、ロボットを実現場に送り込み、稼働結果に責任を持てる入口である。ただし前提もはっきりさせておく。設立当日時点で伽马智能は製品、仕様、時期のいずれも公表しておらず、「自進化フルモデル」が具体的に何を指すのか、実験室の最初の成果がいつ出るのかも未回答だ。今回の設立が記録に値するのは、通信事業者がロボット業界にネットワークと算力を売る側から、自らロボット会社を作る側に回った転換点だからであり、どこまで行けるかは最初の製品か最初の導入受注が出てから判断すべきことである。