EU AI法が北アイルランドにも及ぶ:英国政府は11月4日にガイダンスを公表し、このEU法が北アイルランドで限定的に適用されると明確にした。11月10日から、AIを内蔵した製品を北アイルランド市場に出す場合、禁止行為や高リスク・限定的リスクのシステムに関する規定を守らなければならない。単体のソフトウェア、スマホアプリ、オンラインツールは対象外だ。
対象になる製品、ならない製品
まず適用範囲をはっきりさせる。この法が対象とするのは、物理的な製品と密接に結びつき、北アイルランド市場に出されるAIシステムだけだ。政府が挙げた例は、AI音声アシスタント内蔵のスマートスピーカーと、メーカーのAI健康モニタリングアプリと連動するスマートウォッチ。コネクテッドトイや音声認識付きAIカメラも視野に入っている。義務を負うのはサプライチェーン側、すなわち製造業者、輸入業者、販売業者であり、最終ユーザーではない。背景にあるのはウィンザー枠組みで、北アイルランドはEUのモノの単一市場にとどまる。欧州委員会は2025年、法のうち商品に関わる部分をこの枠組みに加えるよう提案し、英EU合同委員会が2026年5月に合意、11月10日の会合で正式に決定する。北アイルランドのその他のAIガバナンスは引き続き英国が担う。10月30日には英国の4つの規制機関が、個人向けAIエージェントの責任の所在を示した:個人AIエージェントがトラブルを起こしたら誰の責任?英国の4規制機関が10月30日に線引き。
11月10日以降、企業が先にやる3つの確認
段階的に進む。2026年11月10日から、内蔵AIシステムに対する禁止型の要件が先に施行され、高リスクおよび限定的リスクのシステムの要件は段階的に導入され、2028年までに完了する。北アイルランドに供給する企業は3段階で確認できる。第一に、その製品が物理的な製品と密接に結びついたAIシステムであり、実際に北アイルランド市場に出されているか。第二に、チェーンの中での自社の立場。製造業者、輸入業者、販売業者では義務が異なる。第三に、禁止リストに照らして製品設計を確認すること。とりわけ子ども向け製品と職場での感情認識機能に注意する。決定が正式に採択されたら、英国政府のガイダンスに沿って一つずつ対応する。同じ日にはEUの著作権に関する意見募集も締め切られ、生成AIの学習データのルールも変わる可能性がある:EU著作権の意見募集は11月10日まで延長:AI学習データのルールが書き換わる可能性。
広げすぎやすい3つの境界
最も陥りやすい落とし穴は、適用範囲を広く考えすぎることだ。第一に、これは英国全体に及ぶものではなく、北アイルランド以外の英国地域は今回の変更の影響を受けない。第二に、オンラインのAIツールで事務作業やデータ分析を行う北アイルランドの企業は影響を受けず、ツールの開発者も義務を負わない。ただし、そのAIが北アイルランド市場に出される物理的な製品と密接に結びついている場合は別だ。第三に、輸送や販売だけを担う企業も義務の対象になる可能性がある。製造業者でないからといって逃れられるわけではない。内閣府大臣のハミッシュ・ファルコナー氏は、今回の調整によって英国本土と北アイルランドの間に新たな規制上の境界は生まれないと述べた。政府の評価では、禁止や高リスク要件の対象となる製品は現時点では比較的少なく、関係する企業の多くはもともとEU市場を向いている。