2026年11月5日、オープンソースのエージェントプロジェクトOpenClawは、公式ブログでMultiplayerを発表した。複数人が同じエージェントに同時に接続し、1つの作業空間で同じ文脈を共有できる。これまで各部門がそれぞれのエージェントを動かし、製品・エンジニアリング・マーケティングの手元の文脈はつながらなかった。Multiplayerが狙うのはまさにその断絶だ。機能は無料で、OpenClaw従来どおりMITオープンソースライセンスで提供される。
概念より使い方のほうが分かりやすい。GitHub Universeの会場でOpenClawチームが実演した。2台のノートPCが同じエージェントにつながり、大画面にはサンフランシスコのFort Masonの3Dシーンが映し出されていた。観客が1台目に「自由の女神像を追加して」と入力すると、打ち終わる前に同じ文字が2台目にもライブで表示された。送信するとまもなく女神像が画面に現れた。次に2台目から「3倍の大きさにして」と入力すると、1台目にも同じ指示がリアルタイムで表示され、モデルは「どれを」と聞き返すことなく、共有された文脈のまま実行した。リクエストは共有キューを通るため、エージェントが忙しいときは全員がそれを見てわかり、バラバラな指示を投げ合うことがない。財団の内部ではすでに50人以上が同じ共有環境で協働している。
チームにとって消えるのは、文脈を何度も同期し直す手間だ。プロダクトマネージャーは要件を3回説明する必要がなくなり、エンジニアは「先週の火曜日に決まったのはどの版か」を推測しなくて済み、変更は同じ会話に直接落ちる。Multiplayerはマネジメントを治さない。ブログも、ひどいマネジメントや無意味な会議は治せないとはっきり書いている。ただ、各部門のエージェントが互いを知らないという、新しく生まれた協働の断絶は狭められる。モデルは引き続き持ち込み式で、OpenAI、Qwen、Claude、ローカルモデルのいずれも使え、自分のPCでもVPSでも動く。83,000件のフォークが、コミュニティがすでに改造を重ねていることを示している。
機能はブログ公開と同時に利用可能で、個人もチームもOpenClawの公式サイトからインストールできる。既存のOpenClawユーザーはモデルを変更したりデータを移行したりする必要はない。まず様子を見たい人はGitHub Universeの実演映像を見ればよい。共有エージェントでの協働はまだ新しいため、権限の境界や誤操作のコストは、各チームが自分たちでルールを決める必要がある。