11月4日、CognitionはコーディングモデルSWE-2 Flashを発表した。旗艦のSWE-2の3倍の速度で、価格は5分の1。11月30日までDevinのデスクトップ版とコマンドラインで無料で使える。狙いは日常のエンジニアリング作業——自動化、コードレビュー、機能開発、ドキュメント更新——であり、ベンチマークの全項目で旗艦を上回ることではない。
速さと安さは本物、スコアは割り引いて見る
FlashはThinking MachinesのInkling-Smallが土台だ。総パラメータ2760億、トークンあたりのアクティブ120億というスパース混合エキスパートのベースモデルに、Cognitionが中期学習と強化学習を加えた。公式の数字では、Terminal-Bench 4.0がベースモデルの0.9%から20.0%に上がったが、SWE-2の27.3%には届かない。FrontierCode 2.0は24.0%で、SWE-2の23.8%をわずかに上回った。これらはすべてCognitionによる自社測定で、第三者の独立評価はまだない。
なぜ重みを公開しないのか
Kimi K3.1 Proのようなオープンウェイトのモデルとは異なり、SWE-2 Flashの重みは当面公開されない。Cognitionの理由はサイバーセキュリティだ。集中的な安全学習によりExploitBenchのスコアはベースモデルの11.3%から34.8%に上がったが、同じ能力は攻撃者にも利用されうる。同社は信頼できるパートナーと研究機関にのみ重みを開く安全共有プログラムを構築中だ。トークンあたりの価格とコンテキストウィンドウもまだ発表されていない。
開発者にとってFlashの価値はパラメータ数ではなく、タスクあたりのコストにある。日常の仕事が5分の1の価格で3倍の速度で回るなら、Devinの料金計算はぐっと楽になる。役割分担も明確だ。旗艦のSWE-2は総パラメータ2.8兆、アクティブ1040億の大型モデルとして最も難しい仕事に残り、Flashは日常業務を担う。置き換えではなく組み合わせだ。ただし前提がある。Cognitionの自己申告スコアが実際のコードベースでも通用するかは、ユーザーの実測で確かめるしかない。同じ分野では統合も加速している。Metaはマルチエージェント並行プログラミングツールのConductorを買収したばかりで、コーディングエージェントの競争は単体のモデル勝負からワークフロー全体の勝負へ移りつつある。