Figmaは2026年10月29日の公式ブログで、Figmaエージェント向けの専用キャンバス編集モデルの訓練方法を公開した。出発点はあえて狭い。デザインをゼロから生成するのではなく、すでにあるキャンバスの内容を変える手伝いをすることだ。間隔の調整、色の変更、フィードバックを受けてのレイアウトの作り直し。毎日繰り返される小さな編集で、単一の基準では良しあしを判断しにくい。
25万件超の合成サンプルで、まず編集動作を身につける
Figmaは教師ありファインチューニングから始めた。各訓練例は、開始時点のデザインと合成生成された編集リクエスト、成功した変更1件を組み合わせ、Figmaのネイティブファイル形式でデザインを表現することで、モデルの出力をキャンバスへ直接反映できるようにした。より大きな教師モデルがまず編集を試み、決定論的なバリデータと視覚モデルによる審査員が出力が有効か、リクエストを満たしているかをチェックし、パイプラインは審査員のフィードバックをもとに編集を自己修正できた。Figmaによれば、25万件超のサンプルで訓練したLlama 3.3 70Bベースの初期モデルは、編集タスクで当時のトップモデルと競える水準に達したという。
模倣の限界が見え、強化学習が汎化を補う
模倣だけにも代償がある。モデルは訓練で見たデザインを再現しがちで、汎化が弱まり、あらゆる編集場面をカバーするには大量のサンプルが必要になる。そこでFigmaは最新の訓練レシピに強化学習を加え、デザイン領域により近い強化学習環境、サンプルの多様性、報酬モデルの改善、専門家が書いた評価基準に重点を置き、報酬がデザイナーが本当に重視するものに近づくようにした。ベースモデルも更新され、Figmaは新しいQwenモデルなどを使っているとしている。
評価は次元ごとに分け、製品側の数字を先に示す
Figmaはデザインの質を一つのスコアにまとめない。整列、コントラスト、リクエストの充足、コンポーネントの正しい使い方を別々に評価し、構造チェックと視覚審査員を組み合わせ、専門デザイナーが結果を較正する。Figmaが公開した内部評価チャートでは、最新の未公開編集モデルが77.8%で、別のモデルの76.9%をわずかに上回った。製品面では、エージェントは全ユーザーに展開され、典型的なタスクはベータ版から正式版にかけて約20%高速化し、専門デザイナーとの直接比較では62%のケースで前世代と同等以上となり、ユーザー評価は33%上昇し、取り消し操作は60%減少したという。