Anthropic のオーストラリア初進出は、承認を得る前に賃貸契約を結んだ。2026年10月26日、CNN は、シンガポールの開発業者 Zerra DC がクイーンズランド州 Western Downs 地区に 220 億豪ドルを投じて Western Downs Digital Park を建設する計画で、Anthropic が最初の主要テナントとして契約したと報じた。Anthropic にとってオーストラリア初のデータセンター進出だが、プロジェクトは正式な承認をまだ受けておらず、決定権は地方議会にある。
計画の規模:4棟、ピーク時 2.16 ギガワット
Western Downs Digital Park は、ブリスベンから西へ約 260 キロのダルビー近郊、Wambo の畜牛場の隣に建設される。計画は、サッカー場 5 面分に相当する建物 4 棟と、建設作業員 1,500 人分の仮設宿泊施設を含み、ピーク容量は 2.16 ギガワットで、クイーンズランド州の 1 日の電力消費量の 4 分の 1 を超える。
Anthropic のオーストラリア・ニュージーランド政策責任者 David Masters は CNN に対し、同社がオーストラリアで「相当な容量」を確保しようとしていると語った。ただし、オーストラリアの現行著作権法では現地データによる大規模モデルの学習が認められていないため、この拠点は学習には使われず、Claude を動かしてユーザーの質問に答えるために使われる。
止まっている理由:水、電力、そして言葉にならない不信
反対の核心は計算能力そのものではなく、水と電力だ。敷地の下にはオーストラリア最大級のガス田があり、周囲には 6,000 基を超える非在来型ガス井があり、地元農家は一部の井戸が枯れたと訴える。クイーンズランド州はこのプロジェクトに特例を認めた。承認されれば直接送電網に接続し、石炭や天然ガスを含む混合電源を使うことになる。Zerra DC は、蒸発冷却よりはるかに水を使わない空冷を採用するというが、空冷は電力消費が多い。住民は電気料金の上昇と地盤沈下の悪化を懸念している。
2 万 3,000 人以上がこの提案に反対する請願に署名し、住民は公開会合を求めているが、Western Downs の Andrew Smith 市長は、議会は市民集会を開かない方針で、データセンターについて公に議論しないとし、企画部門の助言を待っていると述べた。Anthropic は仮想電力購入契約を通じて送電網に電力を追加し、新設の再生可能エネルギー事業を優先すると約束したが、どの事業かはまだ協議中だ。同社はオーストラリアでコミュニティ担当マネージャーも採用している。
次に注目すべき 3 点
第一に、誰が決めるか。市長は地方議会が決定権を持つというが、州政府は地域社会の支持を最優先するデータセンター承認の枠組みを策定中としており、州が介入するかどうかは未定だ。第二に、電力の約束が守られるか。仮想電力購入契約は新規発電を買うもので、拠点が実際に送電網から引き出す化石燃料由来の電力を相殺できるかは契約内容次第だ。第三に、Anthropic の日程。CNN は、同社が 1.5 兆ドル規模の評価額が見込まれる株式公開を準備していると伝え、海外で地域社会の信頼を得る力がこの紛争で試される。