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Intel GPU D270が正式発表:480GBのメモリで推論に特化、ピーク性能は売りにせず

Intel GPU D270が正式発表:480GBのメモリで推論に特化、ピーク性能は売りにせず

AI情報 • Admin • • 7 回閲覧

2026年10月12日、Intel GPU D270がオープン・コンピュート・プロジェクト(OCP)グローバルサミットで正式に命名・発表された。開発コード名Crescent Islandで知られてきたこのデータセンター向けカードは、3Dグラフィックスとレイトレーシングのハードウェアを完全に省き、その分のシリコン面積をAI推論に回した。インテル自社版は160GBのLPDDR5Xメモリを搭載し、パートナー製バージョンでは最大480GBまで構成できる。

売りは演算性能ではなく、どれだけ大きなモデルを載せられるか

D270はXe3Pアーキテクチャを採用し、32基のXe3Pコアと256基のXMX行列エンジンで、FP8ピーク性能1.3ペタフロップス、メモリ帯域1.5TB/sをうたう。この2つの数字だけ見れば、NVIDIAやAMDのHBM搭載フラッグシップには大きく及ばない。インテルの狙いは別のところにある。LPDDR5Xは安く、調達もしやすいため容量を積み増せる。同社によれば、1枚で約3000億パラメータのモデルを載せられ、8枚構成では1兆パラメータを超え、長い文脈のエージェント推論で膨らみ続けるKVキャッシュの置き場も確保できる。推論サービス事業者にとって、1枚に収まるモデルの大きさは、ピーク性能の順位表よりもコストに直結することが多い。

空冷と標準ラックは、既存データセンターへの配慮

D270は消費電力350W、空冷と標準のPCIe 5.0スロットを採用し、液冷への改修を必要としない。キロワット級の学習クラスタとは逆の方向で、狙う顧客はインフラを作り替えずに推論能力を増やしたい企業や新興クラウド事業者だ。インテルは同じサミットで、Xeon 6+を軸にしたラック規模のシステムも示し、トークンのルーティング、検索、コード実行といったエージェント処理のCPU側作業もまとめて提案した。

サンプル出荷は開始、ただし重要情報は未公表

インテルは、D270のサンプルがサーバーメーカー、クラウド事業者、ソフトウェアベンダーに渡っていることを確認した。システム側のパートナーにはDell、HPE、Lenovo、Supermicroが名を連ね、ソフトウェア側ではvLLMやHugging Faceが適合作業を進めている。一方、価格と正式な発売時期は公表されず、複数メディアは本格供給が2027年になると報じている。NVIDIAとAMDの間に割って入れるかどうかは、発表日の容量数字ではなく、実際のコスト当たりトークン数で決まる。独立した実測が出るまでは、「方向性は明確だが、証拠はこれから」という評価が妥当だ。

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