JalapeñoチップはOpenAIの社内導入段階に入り、隣に置かれるホストの構成も確認された。2026年10月2日、Tom's HardwareはSemiAnalysisによるラック規模の導入形態の説明を引用し、OpenAIのハードウェア担当副社長Richard Hoへのインタビューを交えて報じた。Jalapeño ASICの導入時に組み合わされるホストCPUは、NVIDIAの自社プラットフォームで使われるVeraではなくAMDのEPYC Turinで、ホスト1台あたり1.5TBのメモリを備える。
2台のラックが並ぶ:片側にホスト、もう片側に128個のチップ
SemiAnalysisが説明する導入形態は2ラックの組み合わせだ。Katsuと呼ばれるホストラックは16トレイ構成で、各トレイにTurinクラスのEPYCプロセッサ2個、1.5TBの通常メモリ、ローカルNVMeストレージ、400Gのフロントエンドネットワークを搭載する。Vindalooと呼ばれるアクセラレータラックも16トレイで、各トレイにJalapeñoを8個、ラック全体で128個のチップを収め、4ビット演算で最大1.7 ExaFLOPs、27.5TBのHBM4メモリを提供する。2つのラックは8本のPCIe直結銅ケーブルで対応するトレイ同士を1対1でつなぐ。Jalapeño 1個の消費電力は約700Wで、12層積層のHBM4を6組使い、15.4 TB/sのメモリ帯域を実現する。
なぜホストはAMDに決まったのか
AIラックにおけるホストCPUは、データの前処理、タスクのスケジューリング、アクセラレータへのリクエスト供給を担う。最も目立つ部品ではないが、ラック全体の調達構造を決める。NVIDIAの方式はGPUと自社製Vera CPUをセットで売るもので、深く買うほど囲い込みが強くなる。OpenAIはアクセラレータを自社製Jalapeñoに置き換えたうえでホストもAMDを選んだため、このチェーンにNVIDIAの部品は一つもない。これは同社のマルチベンダー戦略と一致する。学習は引き続きNVIDIAとAMDのGPUが担い、推論は自社チップと複数サプライヤーへ徐々に分散させ、最も伸びの速い推論コストを単一ベンダーの価格設定に委ねない狙いだ。
ペースは変わらない:今年は小規模、成績も依然として自社測定
冷静な視点も必要だ。Jalapeñoは2026年6月24日にOpenAIとBroadcomが共同発表し、8月25日のHot Chipsで公表された初の成績——SemiAnalysisのInferenceXベンチマークでNVIDIA GB200、GB300に対しワットあたりスループットが1.5〜1.9倍、エンドツーエンド遅延が1.7〜3.6倍低い——はOpenAIの自社測定によるものだ。Hoが示した日程は、2026年末にごく小規模な導入、2027年に本格化というもの。今回ホスト構成が確認されたことは導入が計画通り進んでいる証しだが、GPUの大規模な置き換えはまだ先だ。観察者にとって次に見るべきはベンチマークの数字ではなく、この2ラック構成が実稼働した後、推論1回あたりの実コストがGPU構成を安定して下回れるかどうかである。