11月3日、複数のメディアが、RevolutのAIオペレーション責任者デビッド・アビットボル氏が10月13日のAI Engineer NYCカンファレンスで行った講演を報じた。同社は約2000人のエンジニアの標準コーディングアシスタントを、ZhipuのGLMオープンモデルを自社でホストする方式に切り替え、Claude CodeとCodexは例外的な場合にのみ使うという。アビットボル氏によれば、総合コストは100万トークンあたり約0.30ドルで、以前のOpenAIとAnthropicのサービス利用時のおよそ10分の1だという。
報道によれば、現在の導入はGLM 5.3で、56基のNVIDIA B200 GPU上で稼働している。このシステムは2026年4月に稼働を開始し、エンジニアはトークン使用量の制限を受けなくなった。以前Revolutは1人あたり月300ドルのClaude Code枠を設けていたが、アビットボル氏は枠の管理下では効率改善は限定的だったと述べた。切り替え後、社内サンプルではコーディング時間が約60%、タスク割り当てから納品までのリードタイムが約70%改善したという。
数字は印象的だが、因果関係は切り分けて見る必要がある。初回トークンまでの待ち時間が14.26秒から1.68秒に短縮し、同じGPUで1秒あたりのリクエスト数が76%増えたのは、モデルを替えただけではなく推論パラメータを調整した結果だ。リードタイム改善の大きな部分は、エンジニアがトークンを節約しなくなり、ドキュメント検索やチケット処理といった周辺業務もアシスタントに任せるようになったことによる可能性がある。これらはすべてRevolutの社内統計で第三者による検証はなく、0.30ドルという総合コストにもハードウェア購入費や運用人件費は含まれていない。
移せない部分
自社ホストがすべてを置き換えるわけではない。GLMが扱うのはテキストとコードのみで、画像タスクはGeminiなどのホスト型サービスに回され、複雑なタスクはClaude CodeやCodexに戻される。規制対象の銀行として、Revolutは重みを自社管理下のインフラにダウンロードして運用し、推論トラフィックがモデル提供者を経由しないようにし、人間が関与するサンドボックスの中でエージェントの操作権限を制約している。オープンモデルの安全性能も別途評価が必要だ。GLM-5.3のサイバーセキュリティ評価における攻撃性能は、すでに独立した評価で記録されている。
他社にとっての結論は「GLMのほうが最先端モデルより安い」ではなく、利用量が十分に大きくタスクが十分に集中している場合にこそ、自社ホストの限界費用が割に合うということだ。56基のGPUを調整するチームとサンドボックスのガバナンスがなければ、トークン料金で浮いた分は運用コストとして戻ってくる可能性が高い。