Alphabetが2026年10月28日に発表した第3四半期決算は、同じ数字を2通りに読ませる内容だった。クラウド事業が四半期として初めて倍増した一方で、フリーキャッシュフローはマイナスに転じた。2026年9月30日までの3か月を対象とする決算で、総売上高は1275.77億ドル、前年同期比25%増となり、Alphabetは13四半期連続で2桁成長を達成した。
クラウド事業が倍増、TPUも収益に貢献
Google Cloudの当四半期の売上高は307.09億ドルで、前年同期比103%増、前年同期の151.6億ドルを大きく上回った。Alphabetは、AIインフラ、AIソリューション、基幹クラウドプラットフォームサービスに対する企業需要が成長をけん引し、TPUシステムの販売も大きく貢献したと説明している。クラウド事業の営業利益は前年同期の35.94億ドルから111.21億ドルへ増加し、収益性の改善も規模拡大に追随した。
検索事業は依然として基盤である。Google検索その他の売上高は633.5億ドルで前年同期比12%増、YouTube広告収入は112.07億ドル、サブスクリプション・プラットフォーム・デバイス収入は142.9億ドルだった。Googleサービス全体の売上高は963.02億ドルで、前年同期比11%増となった。
純利益は減少、ただし本業は弱まっていない
決算のもう一面は純利益だ。Alphabetの当四半期の純利益は261.7億ドルで、前年同期の349億ドルを下回り、希薄化後1株当たり利益は2.87ドルから2.12ドルに低下した。減少の主な要因は、株式証券で約87億ドルの評価損を計上したことで、前年同期は評価益だった。一方、営業利益は30%増の405.76億ドル、営業利益率は31.8%だった。本業の稼ぐ力が弱まったわけではなく、投資損益が最終利益を押し下げた。
市場が注目したのはキャッシュフローである。Alphabetの当四半期のフリーキャッシュフローはマイナス90.65億ドルで、2四半期連続のマイナスとなった。決算発表後、Alphabetの株価は時間外取引で6%超下落した。投資家が懸念したのは当四半期の売上高ではなく、AI基盤への投資ペースが現金の回収を上回り続けるかどうかだ。
ピチャイCEOのもう一組の数字
サンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は、需要側の証拠を示した。年換算売上高は5000億ドル規模に達し、検索クエリの前年同期比の伸び率は5年ぶりの高水準、Geminiアプリのユーザー数は10億人に達してGoogle史上最も成長の速い製品となり、自社モデルAPIは1分当たり320億トークン近くを処理して1年前の4倍超、Gemini 4 ArgonとCarbonは最前線をリードしているという。
これらの数字は、AI需要がクラウド収入に変わっていることを示している。ただ、その需要に応えるためにAlphabetがあとどれだけの資金を、どれだけの期間投じる必要があるかには答えていない。クラウド収入の倍増は需要を証明し、マイナスのキャッシュフローはその代償を示している。次の決算の焦点は、クラウド事業が成長を続けられるかどうかではなく、設備投資の伸びが鈍化し始めるかどうかだ。