Stirling-PDF は、PDF 処理を自分のパソコンに取り戻すオープンソースのツールです。結合、分割、圧縮、透かしの追加、画像への変換といった日常的な作業を、見知らぬサイトにファイルをアップロードせず、ローカルで完結させます。導入する価値があるかは、PDF を扱う頻度とプライバシーへのこだわりで決まります。
公式リポジトリ情報
公式リポジトリは GitHub にあり、組織名は Stirling-PDF、プロジェクト名も Stirling-PDF です。Web ベースのツールで、デプロイ後はブラウザで開くだけで使え、パソコンごとにクライアントを入れる必要はありません。デプロイは主に Docker で、常時起動のパソコンや家庭用サーバーが一台あれば足り、メモリ使用量も控えめで、個人利用ならサーバーを別途買う必要は通常ありません。
まず三つのコストを計算する
第一はプライバシーのコストです。ファイルが第三者のサイトを経由しないため、契約書、履歴書、経費精算書など個人情報を含むファイルも安心して処理できます。第二は機能のコストです。結合、分割、ページの回転、ページ削除、ページ番号の追加、圧縮といった高頻度の機能は揃っていますが、専門的なレイアウトツールではないため、複雑なフォーム入力や細かな編集は期待できません。第三はメンテナンスのコストです。デプロイ自体は難しくありませんが、OCR には言語パックの追加が必要で、大きなファイルは遅くなり、更新後に再設定が必要なこともあり、手作業が苦手な人には面倒に感じられます。
本当の落とし穴
第一に、OCR はそのままでは使えません。スキャン版 PDF の文字認識には言語データの導入が先に必要で、中国語ユーザーは中国語パックを別途確認すべきです。第二に、超大容量ファイルや画像主体の PDF は処理速度が明らかに落ちるため、数百ページのファイルは分割して処理する方が安定します。第三に、クラウド同期がなく、複数デバイス間のファイル移動は自分で解決しなければならず、クラウドストレージ代わりにはなりません。
向いているのは三つのタイプです。PDF を頻繁に扱う会社員、ファイルを第三者サイトに送るのを嫌う人、常時起動の機器が家にあり多少の手間をいとわない人です。たまにファイルを一、二回結合するだけの人には、既存のオンラインツールの方が手軽で、わざわざサービスを維持する必要はありません。