Google Antigravity のモデルラインナップが 2026 年 10 月 3 日に刷新された。Google は公式モデルドキュメントを更新し、Anthropic の Claude Sonnet 5.5(thinking)と Claude Opus 5.5(thinking)を選択可能な推論モデルとして掲載した。これにより、開発者は Anthropic の API キーを別途用意しなくても、Google のエージェント型プログラミング基盤の中で Claude の最新モデルを直接使える。ただし今回の追加には明確な有料の壁がある。この 2 モデルを選べるのは、条件を満たす Google AI Pro と Google AI Ultra の加入者だけだ。
無料版・Plus・トライアル中の Pro は対象外
2026 年 10 月 3 日時点で確認した公式モデルドキュメントによれば、Claude 5.5 の 2 モデルの利用資格は細かく定められている。Google AI Pro は正式な有料契約でなければならず、プロモーションのトライアル期間中の Pro は対象にならない。無料版、Google AI Plus、Enterprise のアカウントはいずれも利用可能対象として記載されていない。Antigravity の製品内にも対応する通知が表示されるようになり、Opus 5.5 が有料の Pro と Ultra で利用可能になったこと、そして 2026 年 11 月 2 日以降は現在のプランでサードパーティ製モデルへのアクセスが提供されなくなることが明記されている。つまり、サードパーティ製モデルは Antigravity の無料層から撤退しつつあり、Claude 5.5 は有料ユーザー限定となった最初のグループにすぎない。同じドキュメントでは、Gemini 3.8 Flash、Gemini 3.7 Flash、Gemini 3.6 Flash、Gemini 3.1 Pro が引き続き掲載プラン全体で利用でき、自社モデルと他社モデルの待遇差が製品ルールに直接書き込まれた形だ。
11 月 2 日には旧モデル 3 つが退場
追加と同時に確認されたのが廃止リストである。Claude Sonnet 4.6、Claude Opus 4.6、そしてオープンウェイトモデルの GPT-OSS-120B が 2026 年 11 月 2 日に Antigravity から削除される。現時点ではこれらの旧モデルもまだ選択でき、Claude 4.6 の 2 モデルは無料版・Plus・Pro ユーザーが、GPT-OSS-120B はそれに Ultra も加えて利用できるが、カウントダウンは始まっている。これらのモデルで定型ワークフローを回していたり、デフォルトのモデル設定を保存していたりするチームは、11 月 2 日までに切り替えと回帰テストを終える必要がある。削除当日まで先延ばしすれば、自動タスクは使えるモデルを失う。見落としやすい細部もある。ドキュメントによれば、推論モデルの選択は 1 つの会話の中では維持され、エージェントの実行中にモデルを切り替えても、そのターンで実際に使われるモデルは変わらない。モデルを変えたければ新しい会話を始める必要がある。
この変更が本当に意味すること
表面だけ見れば、プログラミングツールにモデル選択肢が増えただけだ。しかし一歩踏み込むと、「Google のツールの中で Claude を使う」という体験が、お試しの特典からサブスクリプションの権利へと変わったことがわかる。開発者にとって、Antigravity を選ぶか Anthropic 自身のツールを選ぶか、その計算はやり直しになる。Antigravity の利点は、Gemini と Claude を 1 つのエージェント環境で切り替え、サブスクリプションの枠内で使え、API の課金を別途管理しなくてよいことだ。代償として、使えるモデルは Google のプラン規則に全面的に委ねられ、今回は Enterprise すら第一陣に入っていない。資格表を当然視できないことの証拠である。Antigravity を使っているチームへの具体的な提案はこうだ。今週中にまず自分のアカウントのプラン種別とトライアル状態を確認し、Claude 5.5 が実際に選べるかを見極めてから、主力ワークフローを移すかどうかを決めること。そして 11 月 2 日の旧モデル削除を動かせない締め切りとして扱い、保存済みの設定を早めに更新しておくことだ。