ワークフロープロンプトが解決するのは、とても具体的な悩みです。毎週繰り返す整理作業を AI に一気に任せると、出力が安定しない——情報が抜け落ちたり、事実でない内容が混ざったり、形式が崩れたりする。3 段階のプロンプトパイプラインに分け、各段階で 1 つの仕事だけをさせれば、品質はすぐにコントロールできるようになります。
最もよくあるのは、週次のユーザーフィードバック整理です。フィードバックはアプリストアのレビュー、サポートのチャット履歴、アンケートなどに散らばっていて、それを「今週のユーザーインサイト」レポートにまとめなければなりません。手作業で全部読むと半日かかりますが、AI に丸投げするのも心配です。以下のプロンプトをコピーして、角括弧の変数を入れ替えるだけでそのまま使えます。
プロンプト本文(コピーして使用)
あなたは情報整理が得意なアナリストです。以下の 3 つのステージでこの資料を処理してください。どのステージも飛ばさないでください。
第 1 ステージ:収集と分類
[フィードバック内容] を 1 件ずつ読み、次の観点で分類してください:[分類の観点、例:機能要望 / 利用上の問題 / 賞賛 / 不満]。
各観点の下に具体的な項目を列挙してください。曖昧な一文にまとめたり、1 件も落としたりしないでください。
第 2 ステージ:インサイトの抽出
各観点について 3 つの問いに答えてください:1)最も頻出するのは何か;2)その背景にある可能性の高い原因は何か;3)優先度はどうか(高 / 中 / 低)とその理由。
各結論の後には、必ず元のフィードバックから 1〜2 件の原文を引用して根拠としてください。引用できる原文がなければ「直接の根拠なし」と書き、捏造は禁止です。
第 3 ステージ:レポートの作成
[出力形式] に従ってレポートにまとめてください。形式の指定がなければ「今週の概要 + 分類リスト + 優先改善提案」の 3 部構成にしてください。
全文は [文字数上限、デフォルト 800 字] 以内に収め、結論と提案だけを書き、前置きや説教は書かないでください。
背景情報:[製品 / 事業の背景、1〜2 文で十分です]
フィードバック内容:
[各チャネルのユーザーフィードバック、コメント、アンケート回答をここに直接貼り付けてください]変数の入れ替え方
| 変数 | 何を入れるか | 例 |
|---|---|---|
| [フィードバック内容] | 処理したい任意のテキストのまとまり | アプリストアのレビュー、サポートのチャット履歴、アンケート回答 |
| [分類の観点] | 自分の事業に合った観点に変える | EC:物流 / 品質 / サービス / 価格;教育:講座 / 講師 / サービス |
| [出力形式] | AI に完成形の姿を伝える | 週報の文章、表、メールの下書き、スライドの構成案 |
| [製品 / 事業の背景] | 一文の背景で AI の言葉遣いを事業に合わせる | 私たちはオンライン教育の中小企業です |
| [文字数上限] | 長さを制限して冗長化を防ぐ | 800 字 |
3 段階に分けると安定する理由
1 つのプロンプトで「全部読む、分類する、分析する、レポートを書く」の 4 役を同時にさせると、AI はどこかで手を抜きます。分類で項目を落とせばインサイトの根拠が消え、分析が浅ければレポートは空疎になります。3 段階に分けると各段階の仕事は十分に単純になり、出力は自然と安定します。流れ作業と同じで、品質チェックも簡単です。第 1 ステージの結果がおかしければ、第 1 ステージだけを再実行すればいいのです。
チューニングの 3 つのコツ
- 最初は少量で試運転する。フィードバックを 5〜10 件だけ貼って、分類の観点が妥当かを確認してから全部を貼ります。この一手間で手戻りの大半が消えます。
- 「原文を引用」はハルシネーション対策の強い縛りです。各結論に原文の引用を必須にすると、AI は裏付けが取れないときにフィードバックを捏造するのではなく、正直に「直接の根拠なし」と書きます。
- 3 つのステージは別々に実行できます。どこかの出力が気に入らなければ最初からやり直す必要はなく、前段の結果を貼り直して、その段だけを再実行すれば済みます。一文プロンプトに対するワークフロープロンプトの強みは、まさにここにあります。
同じ方法は会議の発言整理や調査インタビューの要約にも使えます。以前紹介した議事録プロンプトは、実はこの考え方の単段バージョンです。まずは手元で一番繰り返している手作業から、この 3 段階に当てはめてみてください。来週の同じ作業は、このプロンプトをそのまま再利用できます。